有益な留学をするためには

近年、「留学」は多くの学生にとって身近な事柄になりつつあります。文部科学省も積極的に「官民協働海外留学支援制度」を推し進めていますし、多くの高校、大学、専門学校は独自の交換留学制度を持つ時代となりました。実際に文部科学省がH27年の2月末に発表した集計では、60,138人もの日本人学生が海外に留学しています。しかし、この中で一体何人の学生が「語学習得」以外の目的で渡航しているでしょうか。もちろん、語学の習得のために、学習したい言語が話されている地域に住むことは非常に有益な手段の一つと言えるでしょう。でも、そのためだけに海外へ留学することに、本当に意味があるのでしょうか。本来言語とはコミュニケーションのためのツールに過ぎないものであるはずです。ところが、ここ最近の留学ブームにおいて、「英語を話せるようになることが目的です」だとか、「中国語を話せるようになることが目的です」という声が多く見られますし、留学支援を行う団体もそれがあたかも良い事であるかのように宣伝します。お金になりますからね。しかし、ツールの使い方だけ覚えて帰ってきたとしても、そのツールを使って何ができるのかを学ばずに帰ってきてしまっては、まったく意味はありません。例えるなら、パソコンの基本操作はできても、専門的な処理はおろか表計算もできないような状態とでも言いましょうか。どうせ語学のことでわざわざ海外まで行くのであれば、そのツールで何ができるのかを学んで帰ってきてみてはいかがでしょうか。語学学校止まりでなく、実際に海外の大学で、その言語を使ってどのような研究ができるのか。その言語を使ってどんなビジネスができるのか。日本より研究の進んでいる分野なんて、海外にはごまんとあります。もし、日本でまだ語学力を伸ばせるにも関わらず、「留学すればできるようになる」と考えての留学を計画しているなら、一度踏みとどまって、国内で可能な限り語学力を上げてから、「本当に海外でしかできない勉強」をするために留学することを強くおすすめします。英語の初心者が留学しても、大した成果は挙げられないのが現実ではないでしょうか?